消化器科(内科・外科)GASTROENTEROLOGY

ピロリ菌

ピロリ菌イメージ

ピロリ菌、ほとんどの方がこの名前を一度は耳にしたことがおありだと思います。かわいい名前ですが何だかご存じでしょうか。胃の中(強い酸性の胃液で覆われていて細菌が住めないであろうと思われる中で)に住み続けている最近の名前です。体の中、特に消化管には様々な菌が住んでいるといわれています(腸内フローラなどの名前で呼ばれたりします)。その中で良い菌と悪い菌がいて、ピロリ菌は胃炎や胃潰瘍、胃がんなどを引き起こす悪い菌であることがわかっています。ピロリ菌は衛生環境の整った時代に生まれた若者には感染率が少なく、50代以上のほぼ半数のかたが感染しているといわれています。 ピロリ菌はお薬で除菌することができ、除菌することで胃炎や胃潰瘍、ひいては胃がんの発生率を減らすことができるといわれています。胃カメラで胃炎が診断されるとピロリ菌検査、治療に進めることができます。 ピロリ菌は胃炎、胃、十二指腸潰瘍、胃がん以外にMALTリンパ腫や血小板減少性紫斑病を引き起こすといわれます。また感染していると、家族内の幼児に感染させる危険もあります。

ピロリ菌検査

胃内にピロリ菌がいるかどうかの検査は4種類あります。

ピロリ菌治療の流れ

  • ピロリ菌治療

    ピロリ菌が胃内にいることが診断されたら除菌治療を行います。胃薬と抗生剤を組み合わせたお薬を一週間服用します。下痢や苦みなどの副作用があります。治療を途中でやめてしまうと除菌に失敗してしまったり、ピロリ菌が耐性菌となってしまったりします。副作用などで治療が継続できなくなった場合は無理されず病院へご連絡ご相談ください。

  • ピロリ菌治療後

    除菌治療後は4週間以上開けて判定検査を行います。服用されているお薬などによって判定時期や判定方法が違いますので、治療時に患者様それぞれにスケジュールをお話しします。

  • ピロリ菌除菌成功後

    その後再感染することはないといわれています。ただ長年ピロリ菌に感染していた胃粘膜の修復には数年の時間がかかり、そのため残念ながら除菌後も胃がんの発生リスクはゼロにはなりません。症状がなくても定期的な(一年毎をお勧めします)胃カメラによる胃がん検診は続けてください。